
1. 機能仕様書とは?基本の役割と構成
機能仕様書(Functional Specification Document)とは、開発するシステムやアプリの「具体的な機能内容」を明記した設計ドキュメントのことです。要件定義書の「何を作るか」に対して、「どう作るか、どう動くか」を示すのが機能仕様書の役割です。
一般的な構成例:
・ 機能一覧(機能ID、機能名、概要)
・ 画面仕様(画面レイアウト、入力項目、エラーメッセージ)
・ 遷移図・フローチャート
・ 処理仕様(バリデーション、条件分岐、例外処理)
・ 外部システム連携仕様(API、バッチ処理など)
2. なぜ機能仕様書の品質が重要なのか?
機能仕様書の質が悪いと、次のようなトラブルが起こります。
・ 開発者が何を作ればいいのか分からず、手戻りが発生
・デザイナーとの認識ズレによりUIがバラバラに
・ テスターがテスト観点を把握できず、品質が下がる
・クライアントとの認識齟齬によって追加コストが発生
逆に、品質の高い仕様書は:
・チーム全員の共通認識を生む
・コミュニケーションコストを下げる
・品質・納期の安定につながる
3. ありがちなNG例と失敗パターン
4. 品質の高い機能仕様書を作るための7つのTips
Tip 1:機能ごとに「目的」と「ユースケース」を必ず書く
ただ機能の仕様を書くのではなく、「この機能は何のために存在するのか?」を明示することで、読み手(開発者、テスター、クライアント)が背景・意図を正しく理解できます。
Tip 2:画面仕様はワイヤーフレームと遷移図で「視覚化」する
テキストだけではUI/UXが伝わらない!FigmaやDraw.ioなどを使って、ユーザーの流れとインタラクションを見える化することで、開発・デザイン・テストの認識ズレを減らせます。
工夫ポイント:
・各画面に「画面ID」「機能名」「利用者タイプ(ゲスト/会員)」を明記
・ボタンやリンクのアクションを矢印で遷移図に落とす
・条件分岐(例:ログイン済み or 未ログイン)もフロー図に反映
Tip 3:バリデーションとエラーケースを抜け漏れなく明記
ユーザー入力に対する制約やエラー表示が曖昧だと、実装の判断が属人的になり、バグやUX不一致の原因になります。
Tip 4:他機能・前提条件との「つながり」を記述
仕様は1機能単体で完結しないことが多く、他画面・他システム・認証状態などとの関係性が重要になります。
Tip 5:データ仕様(型・制限・デフォルト値)を詳細に記載
DBやAPIと連携する以上、データ仕様を厳密にしておかないと、実装不整合やデータ破損が起きやすくなります。
Tip 6:読み手を意識した「文体と用語」を使う
仕様書は1人で読むものではありません。PM・エンジニア・デザイナー・QAなど、多職種に伝わる言葉で書くことが、品質と効率を高めます。
文体のポイント:
・主語を明確に:「システムは〜」「ユーザーが〜」
・曖昧な表現を避ける:「たぶん」「など」「一部」→ ✕
・用語を統一する(例:「ログイン」「サインイン」を混同しない)
Tip 7:仕様書を「放置しない」、レビューと更新を習慣に
現場では「仕様書が古い」「誰も見てない」があるある。リリース後まで活きるドキュメントにするには、継続的なレビュー・メンテが必要です。
実践方法:
・仕様書の更新履歴を明記(作成日・修正日・担当者)
・チーム全体で定期レビュー(デイリー・スプリント単位)
・コメントや議論を仕様書内で残す(NotionやConfluenceがおすすめ)
5.仕様書作成におすすめのツール
機能仕様書は、単なる「文書作成作業」ではなく、プロダクトの成功を左右する土台づくりです。しっかりと目的をもって書かれた仕様書は、開発スピードを高め、バグを減らし、チームのストレスも軽減します。「誰のために、何を、どこまで書くか?」を意識しながら、読みやすく、使いやすいドキュメントを目指していきましょう。丁寧に作られた仕様書は、開発者・テスター・クライアント全員の強い味方です!
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