
しかし実際には、AIの活用で変わるのは「作業の量」だけではありません。開発体制の組み方、人月の考え方、品質を担保する工程そのものが変わりつつあります。本記事では、AIコード生成がオフショア開発に与える影響を整理し、発注側が押さえておくべき体制づくりと見積もりの考え方を解説します。
AI時代のオフショア開発とは?
AI時代のオフショア開発とは、海外の開発チームがAIコード生成ツールやAIテスト支援を日常業務に組み込み、従来より少ない工数で、より速く開発を進める開発スタイルを指します。単にAIツールを使うことではなく、AIを前提に体制・工程・契約を設計し直すことがポイントです。
背景には、日本のIT人材不足があります。経済産業省の試算では、2030年に最大で約79万人のIT人材が不足する可能性があるとされています(前提条件により幅があります)。また、IT予算の多くが既存システムの保守・運用に割かれており、新規開発やモダナイゼーションに回せるリソースは限られているのが実情です。
IDC Japanの予測でも、国内ITサービス市場は2024年から2029年にかけて年平均6.6%で成長する見通しで、開発需要が拡大する一方、人材の供給が追いつかない状況が続くと考えられます。この需給ギャップを埋める手段として、オフショア開発とAI活用の組み合わせが注目されています。
AIコード生成がオフショア開発にもたらす3つの変化
変化1:実装の比重が下がり、上流と検証の比重が上がる
コーディングやテストコードの作成はAIの得意領域です。その結果、プロジェクト全体の工数に占める「実装」の割合は下がる傾向にあります。一方で、要件を正確に伝える工程、設計判断、レビュー、結合・総合テストといった人の判断が必要な工程の重要度は相対的に高まります。
変化2:直列開発から並行開発へ
AIによって各モジュールの実装が速くなると、機能単位で並行して開発を進めやすくなります。プロジェクトによっては、従来の直列型の進め方より短い納期を実現できるケースもあります。ただし、並行開発ではインターフェース仕様の事前合意が不十分だと、後工程で手戻りが発生しやすくなる点に注意が必要です。
変化3:生成コードの品質をどう担保するかが問われる
AIが生成したコードは、一見正しく動いても、仕様の解釈ミス、セキュリティ上の不備、保守しにくい構造が含まれることがあります。担当者のスキル差は縮まる一方で、レビューを行う側の力量が品質を左右するようになります。そのため、オフショア先を選ぶ際は「AIを使えるか」よりも「AIの出力を検証できる体制があるか」が重要な判断軸になります。
変わる開発体制:従来型とAI時代の比較
AI活用を前提にすると、チーム構成は次のように変化します。
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とくに重要なのが、日本側の現場を理解するBrSE(ブリッジSE)の役割です。AIに正しい指示を出すには、業務の背景や目的を理解したうえで要件を言語化する力が欠かせません。日本語での丁寧なコミュニケーションと、日本の商習慣への理解を持つBrSEがいるかどうかで、AI活用の成果は大きく変わります。
AI時代の見積もりの考え方
「AIで安くなる」は半分正しく、半分誤解
AIの導入により、実装工程の工数が減るのは事実です。しかし、その削減分がそのまま見積もりの減額になるとは限りません。AIツールの利用コスト、レビュー体制の強化、セキュリティ対策、メンバーの教育といった新たなコストが発生するためです。効果の大きさも工程や案件の性質によって異なり、「一律で何割削減」とは言えません。
工程別に分解して確認する
見積もりは、工程ごとにAIの影響を見極めて確認するのが現実的です。
契約形態によって還元のされ方が異なる
- ラボ型(準委任に近い形態):専属チームで継続的に開発するため、AI活用による生産性向上を発注側がチーム運営の改善として享受しやすい形態です。仕様変更が多い案件にも向いています。
- 準委任契約:工数ベースで契約するため、AI活用の方針(使用ツール、レビュー体制)を事前に合意しておくことが重要です。
- 請負契約:成果物に対して対価を支払うため、AIによる効率化の利益がベンダー側に残りやすくなります。見積もりの根拠を開示してもらうことをおすすめします。
見積書で確認したい項目
- AIツールの利用方針(どの工程で、どのツールを使うか)
- レビュー・品質保証にかかる工数が別途計上されているか
- 生成コードの権利・ライセンスの扱い
- 機密情報や顧客データをAIに入力する際のルール
- 工数削減が見積もりにどう反映されているか
AI活用型オフショア開発で注意すべき3つのリスク
1. 情報漏えい:ソースコードや業務データを外部のAIサービスに入力すると、情報が意図しない形で扱われる可能性があります。プライベートLLM環境の利用や、入力してよいデータの範囲の明確化が必要です。
2. 品質のばらつき:AIの出力を鵜呑みにすると、不具合や脆弱性を見逃すおそれがあります。AIの利用は常に人間による検証(Human-in-the-Loop)の下で行うことが前提です。
3. 属人化とブラックボックス化:AIで大量にコードを生成しても、設計意図やドキュメントが残らなければ、後の保守で苦労します。ドキュメントの整備を納品条件に含めておきましょう。
失敗しないオフショア開発パートナー選びのチェックリスト
- AI活用の具体的な方法と実績を説明できるか
- コードレビューやテストの体制が明確か
- 日本語対応が可能なBrSEや、日本常駐のエンジニアがいるか
- セキュリティ体制(データ管理、アクセス制御)が整っているか
- エンジニアの定着率が高く、チームが安定しているか
- 増員や縮小に柔軟に対応できるか
- 見積もりの根拠を工程別に説明してくれるか
Hatonetが選ばれる理由
Hatonetは、3万名を超えるベトナム人ITエンジニアのデータベースを活かし、必要なときに必要な規模のチームを、通常の採用よりも短い期間(数週間単位)で編成できる体制を整えています。
日本にオンサイト対応が可能なエンジニア・BrSEが在籍しており、業務部門の担当者さまと直接やり取りしながら、要件定義から開発、運用まで一貫してご支援します。AIの活用は、プライベートLLM環境などのセキュリティ対策と、人間による検証・レビュー体制のもとで実施し、すべての成果物は納品前に厳格なレビューを経ています。
また、Google Cloudを活用したモダンなシステム基盤への移行や、レガシーシステムのAIモダナイゼーションにも対応しています。「AI活用を前提にオフショア開発の体制を見直したい」「見積もりの妥当性を確認したい」といったご相談もお気軽にお寄せください。
まとめ
AIコード生成の普及により、オフショア開発は「人手を集めて作る」モデルから、「AIと人が役割分担し、品質を検証しながら速く作る」モデルへと変化しています。
- 実装の比重は下がり、要件定義・レビュー・テストの重要度が高まる
- 見積もりは工程別に分解し、AI活用の前提と根拠を確認する
- 契約形態により、AIによる効率化の還元のされ方が異なる
- 情報漏えい・品質ばらつき・ブラックボックス化に備える
- 「AIを使えるか」より「AIの出力を検証できるか」でパートナーを選ぶ
Hatonetでは、ベトナム人ITエンジニアの人材力と日本常駐のBrSE・FDEによる伴走支援で、AI時代にふさわしい開発体制づくりをサポートします。まずはお気軽にお問い合わせください。
ハトネット は、全国の IT 企業間の現場の IT 担当者を結び付け、雇用主が効果的かつ専門的な方法でリソースを最大限に活用し、コストを節約できるよう支援します。
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